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衝撃のドキュメンタリー映画「ゆきゆきて、神軍」のネタバレ感想

「ゆきゆきて、神軍」ご存知でしょうか?

私もタイトルだけは知っていましたが、正直どんな映画かはしりませんでした。

それが、たまたまU-NEXTでドキュメンタリーを探していたら出てきて、あらすじ読んだら面白そうだったので見てみると、これが、

なかなかの衝撃映像で、非常に面白かったです。

そんな「ゆきゆきて、神軍」ネタバレありで紹介していきます。

  

作品紹介

監督は、原一男。「ゆきゆきて、神軍」は彼の代表作で、あのマイケル・ムーアが「生涯観た映画の中でも最高のドキュメンタリーだ」と言ったとか言わなかったとか。(^^)

最近では、「水俣曼荼羅」(2021年)が話題になりました。

この「水俣曼荼羅」、なんと上映時間6時間!なんか、これだけで笑っちゃいますね。

「ゆきゆきて、神軍」は1987年公開の映画です。

主演は、奥崎謙三。1920年生まれで、1943年1月、独立工兵第36連隊に配属され、4月に当時激戦地だった東部ニューギニアに派遣されます。

1946年に日本に帰国、兵庫県神戸市でバッテリー商を営む。

1956年、不動産業者をトラブルの末、傷害致死で懲役10年。

1969年、皇居の一般参賀で昭和天皇にパチンコ玉を3発、発射し懲役1年6か月。

1976年、ポルノ写真に天皇一家の顔写真をコラージュしたビラ約3,000枚をまいて(天皇ポルノビラ事件)懲役1年2か月。

無茶苦茶です。(^^)

「ゆきゆきて、神軍」はそんな奥崎謙三のドキュメンタリーです。

あらすじ(ネタバレあり)

主人公、奥崎謙三は兵庫県神戸市兵庫区でバッテリー商を営んでいます。

店のシャッターには、「田中角栄を殺すために記す・・・」等、過激な政治メッセージが書かれています。

ある日、知人の媒酌人として参加しますが、挨拶で、「新郎は反体制活動で前科1犯、私は傷害致死と天皇にパチンコ玉を発射して前科2犯」と発言し、全員ドン引き。

自分の家の屋上に独居房を作るため、神戸拘置所に寸法を測りに行って、職員にとめられ、その職員に向かって「貴様らの顔はロボットか!」と罵倒する。

その後、奥崎はニューギニアで戦死した同じ隊の戦友たちの実家を訪ねる、慰霊の旅を始める。

広島県江田島町に島本正行一等兵の母イセコを訪ね、涙ながらに島本一等を彼自身が埋葬した時のようすを話す。

イセコに私がお世話しますから、一緒にニューギニアに行きませんかと話をもちかける。

ここからがメインストーリーで、終戦後23日も経ってから上官の命令で兵士二人が射殺された事件を追いかけることになる。

奥崎は、二人の兵士の遺族とともに、射殺に関わった元隊員を一人づつ訪ねて話を聞きに行きます。

島根県に住む元軍曹の妹野幸男を訪ねるが、非協力的で事件について語らないので、奥崎は業を煮やして馬乗りになって殴り出します。

東京都に住む元伍長、会川利一は妹野を含む6人が処刑に手を下したと証言します。

山梨県に住む原利夫は、処刑された二人に悪いところは無かったと言うが、それ以上のことは彼らの名誉のために言えないといいます。奥崎と二人の遺族が、真相を話してくれるまで帰らないと粘ると、とうとう、自分も処刑の引き金を引いたが不発弾だったと言います。

神戸市に住む元衛生兵の浜口政一は、処刑された二人は食べるものがなく逃亡したが、終戦後に戻ってきたといいます。当時は、現地人を黒豚、白人を白豚と呼び、その肉を食べていたといいます。処刑された二人の遺族は、処刑されたのは食べられるためではないかと疑いを隠せません。

処刑の命令を直接下した、隊長の古清水政雄に会いに広島県を訪れる。古清水は上官に処刑を命じられたが、処刑には立ち会っていないといいます。処刑の理由は、人肉を食したことだといいます。

奥崎は再び妹尾幸男を訪れます。妹野は、処刑に関して、自分は照準を外して撃ったこと、古清水が二人に一発づつ撃ってとどめをさしたことを話します。

その後、奥崎はもう一つの事件である橋本義一軍曹が殺される事件について、埼玉県に住む元軍曹、山田吉太郎を訪ねます。

ここでも、山田は真相を語らず、奥崎は激昂し暴力を振るいます。そして奥崎は自ら警察を呼び・・・。もうハチャメチャです。後半のクライマックス。

このあたりで、新たな映像はなくなり、その後の経過がナレーションで紹介されます。

その後、奥崎が一緒にニューギニアに行きましょうと誘った島本イセコが亡くなり、奥崎は一人でニューギニアに行きます。

ニューギニアでもカメラは回されていましたが、帰国の際にニューギニア情報省にフィルムを没収されたといいます。

その後、奥崎は古清水を殺しに行くと言い、古清水宅に乗り込みますが、たまたま居合わせた息子に改造拳銃で発砲し、重症を負わせ逮捕されます。

エピソードと感想

どうですか、見たくなりましたか?

ドキュメンタリーの迫力を感じます。

カメラの前で堂々と暴力を振るったり、警察と押し問答したり。

原監督は最初からこういうドキュメンタリーを撮ろうとしたのではなく、面白い男がいるので撮ってみないかと言われて、じゃあ撮ってみようと言うことになったそうです。

撮影中も奥崎は色々と注文を出して、こういうのを撮って欲しいとか言ってたそうです。

原監督は、ドキュメンタリーと言っても、人はカメラの前では多かれ少なかれ演技をするものだと言っています。

奥崎はカメラの前で奥崎を演じていたのです。

それは、、“ヤラセ”ということではなく、それも含めてドキュメンタリーということだと思います。

奥崎は古清水の弟を銃で撃って刑務所に入っている間も「ゆきゆきて、神軍」の続編を構想していたそうです。

さて、原監督の最新作「水俣曼荼羅」にも注目したいと思います。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございます。

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