建築設備

設備屋という仕事、第2回「写真の撮り方」

設備屋の施工管理業務の中で、若手がやらされる仕事の一つに写真があります。

工事写真とか、施工写真なんて言われるものです。

写真撮るだけなんで、必ず若手がやらされますが、実は難しい業務です。

そんな、写真について、解説していきます。

なぜ、写真が必要なのか

何のために写真を撮るかというと、エビデンスを残すためです。

最近、エビデンスって言葉が普通に使われるようになりました。

私が会社に入った頃は、エビデンスなんて聞いたことなかったです。

日本語でいうと「証拠」ですね。証拠を残すために写真を撮ります。

なんの証拠かというと、顧客の要求どおりに施工しているという証拠です。特に、完成してからでは見ることが出来ない部分で、仕様書通りにやってるってことを証明するために写真を撮ります。

例えば、スリーブを入れたときに、スリーブの周りに補強筋が入っているかどうかは、コンクリートを打ってしまえば見ることが出来ません。

補強筋が入っていることを証明するために、写真を撮ります。

他にも防火区画貫通部にロックウールが充填されていることとか、ダクトの接続部に、仕様書通りガスケットが付けられているかとか。

バラさないと分からない所は、基本的に写真が必要です。

写真がないと、仕様書通りに施工しているかどうか分からないので、バラして下さいって言われても、反論できません。

そんなことで、写真が重要になります。

1年生に任せていると、最後にエライことになります。(^^)

配管の写真

配管の写真にはどういうものが必要でしょうか。

まず、材料の写真です。受入検査といって、仕様書通りの材料を使っていますよっていうことを証明するための写真です。

管材であれば、JISのなになにっていう管材を使っていますよとか、

バルブはここのメーカーのこういう品番を使ってますよとか、

それらを現場に納入したときに、検査をして現場に入れてますよっていう写真です。

次に、加工ですね。

パイプを切るのに、どういう道具を使ってるとか、ネジを切るときはこういう手順で切ってるとか、

このヘルメを塗ってるとか、溶接はこういう開先をとってるとか。

とにかく、施工要領書に書いてる通りやってますよって写真ですね。

それから、吊り込みです。

支持ピッチはこうですよとか、振れ止めとってますよとか。

そんな感じ。

ダクトの写真

ダクトの写真もいろいろ必要です。

まずは、ダクトでも受入検査ですね。

板厚は間違ってないかとか、シールは正しくできてるかとか、補強は仕様書通り入ってるかとか、リブのある無しとか。

次は接続に関して、正しいパッキン使ってるかとか、パッキンの継ぎ目は3cmのラップがあるかとか、

共板の場合、クリップの数は合ってるかとか。

スパイラルダクトの場合、ビスの本数は合ってるかとか、ダクトの下部にビス打ってないかとか、

シールが必要な場合、シールしてるかとか。

あと、支持については配管と同じで、支持ピッチと振れ止め。

その他の写真

その他の写真としては、保温工事の写真、あと施工アンカーの写真、区画貫通の写真、機器の据え付け状況の写真、等々。

それぞれ、仕様書通り施工しているというエビデンスの為の写真です。

保温の鋲は適正なピッチで取り付けられているか、あと施工アンカーは適正な埋め込み深さがあるかとか、区画貫通にはロックウールが充填されているかとか、機器は水平に据え付けられているかとか。

いろいろありますよね。

建物を使っていく中で、不具合が起こらなければこれらの写真は必要ないかもしれません。

配管から漏水するとか、機器から異音がするとか、変なニオイがするとか。

そんなときに正しい施工写真があれば、適正に施工されていると証明できますが、それが無ければ、すべての施工が疑われ、全数確認してくれとか、バラして確認してくれとか言われてしまいます。

写真によるエビデンスとは、そういう事態を回避するために重要だということになります。

最後に

どうですか。写真の重要性と、どういう写真が必要かということがなんとなく分かって頂けましたでしょうか。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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