建築設備

設備屋の基本、第2回「配管の種類と選び方」

設備屋の基本、第2回目は「配管」です。
配管とは、液体や気体を運ぶためのパイプで、主に水等の液体を運ぶためのものです。空気を運ぶ配管もありますけどね。
パイプの種類も、鉄製の鋼管や塩ビ製、ステンレス製など用途によってさまざまです。
そんな配管について紹介していきたいと思います。

SGP(配管用炭素鋼鋼管)

SGPとは

SGPとは、「配管用炭素鋼鋼管(Carbon steel pipes for ordinary piping)」と呼ばれる鋼管のことです。SGPの名前は「Steel Gas Pipe」の略称を表しています。
冷温水配管など、空調配管で一番使われているのがSGPと言われる鋼管です。炭素鋼で作られるパイプで、何十年も前から使われている最もポピュラーなパイプです。

SGP管には2種類あって、白管と黒管があります。SGP(白)、SGP(黒)って表記されます。

SGP(白)は、表面に亜鉛メッキが施されたもので、SGP(黒)はメッキしていない管です。

SGP(白)は主に水配管、冷温水や冷却水、消火配管などに使われます。一方、SGP(黒)は蒸気配管なんかに使われます。

亜鉛メッキは防食効果があるので、冷温水配管に黒管を使ってしまうとすぐに錆びてしまいます。

SGPの接続方法

・ねじ接合

管の端部をねじ加工して、ねじ込み継ぎ手と接続します。小口径(65A以下ぐらい)に多く使われます。

パイプや継ぎ手をねじ込んでいくので、片側から順番につないで行きます。最後にテストして漏れたら大変です。大変は大げさかもしれませんが、途中でぶち切ってフランジで繋がないといけません。

もれないようにするためにねじ込むときにシール剤を塗布します。これも用途によって色々あります。

・溶接接合

溶接工といわれる職人さん、または自動溶接機という機械が、管と管または継ぎ手を溶かしながら接合します。

アーク溶接やTig溶接が一般的です。

溶接は技術が必要なので、職人さんによって出来栄えがさまざまです。下手な人がやると漏れるし。

溶接は、何年もしてからある日突然ピンホールが出来て漏れることがあります。

なので、私は溶接は嫌いです。特に、現場溶接は可能な限りやりません。何年も経ってから漏れるって最悪です。

・メカニカル継手

その名の通り、機械的な方法で接合します。だいたいゴムパッキンで止水します。

ヴィクトリック継手とか、トップジョイントとか、給湯でよく使われるナイスジョイントもメカニカル継手です。

現場で溶接する必要がないので、消火配管なんかによく使われます。

可撓性があって、多少の伸縮も許容できます。

ネジ締めるだけなんで技術も必要ないし。

ポリエチレン管

空調配管ではこれまで、ほぼSGP(白)一択でしたが、最近はポリエチレン管も使われています。

電気融着でつなぐやつです。

樹脂製なので軽くていいんですが、まだまだパイプと継手が高いです。

あと、継手が大きいので納まりが悪いです。広いところをぶん伸ばすのにはいいですが、機械周りとか継手をいっぱい使うところは、まず無理です。

ステンレス管

ステンレス管とは、文字どうりステンレス製のパイプです。

設備で使うのは、主に配管用ステンレス鋼管(JIS G 3459)と、一般配管用ステンレス鋼管(JIS G 3448)の2種類でしょう。

配管用ステンレス鋼管は、管の厚みによって、sch10とかsch20とかあります。

ねじを切ってねじ接合とか、溶接接合が出来ますが、sch10は薄いのでねじ接合には不向きです。

一般配管用ステンレス鋼管は、いわいるSU管という薄肉のステンレス管です。ナイスジョイント等の継手を使って給湯管によく使われます。

高価なので、冷温水配管とかには余り使われませんが、当然錆びないので、蒸気の還り管に使われることもあります。

塩化ビニール管

塩化ビニール製のパイプで、VP(硬質塩化ビニール管)やHIVP(耐衝撃性硬質塩化ビニール管)などがあります。

衛生設備でよく使われます。HIVPは給水管でよく使われますが、接合が接着剤塗って差し込むだけなんで簡単ですが、ちゃんと接着出来てなくて漏れたときは大変です。管がすっぽ抜けてしまうので、大洪水です。

最後に

今回は配管の種類について書きました。空調設備ではあまり多くないのですが、衛生設備ではもっとたくさんの種類のパイプを使用します。

塩ビライニング管とか、銅管とか。

種類ごとに性質や注意する点が様々なので配管といえど奥が深いです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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