建築設備

設備屋の基本、第3回「ダクトの種類と使い方」

設備屋の基本、第3回目は「ダクト」です。
ダクトについて語っていきたいと思います。

ダクトとは

ダクトとは空気を運ぶ道です。日本語では風道と言います。まさに風の道ですね。

空調するための冷風、温風を運んだり、換気のための外気を取り入れたり、室内の空気を排気したりするためのものです。

ダクトの形状

ダクトは主に鉄板で作られます。亜鉛メッキされた亜鉛鉄板と言われるもので、四角い形状の矩形ダクトや丸形のスパイラルダクトがあります。

他には塩ビ製のダクトや、グラスウール製のダクト、最近ではダンボール製のダクトなんかも出てきてます。

ダクトの接続

矩形ダクトの接続方法には、主にアングルフランジ工法共板フランジ工法があります。

アングルフランジ工法とは、ダクトの端部にLアングルを取り付け、Lアングル同士をボルトナットで接続する方法です。

もう一つの共板フランジ工法とは、ダクトの端部を折り曲げ、四隅にコーナーピースを取り付け、クリップで接続する方法です。

大昔はアングルフランジ工法のみでしたが、最近はほとんど共板工法が使われています。一部厨房排気ダクトや、特にリークを嫌うダクトにはアングルフランジ工法が使われています。

ダクトの製作

亜鉛鉄板製の角ダクトは、コイルと呼ばれるロールの鉄板を加工して製作します。

鉄板をプラズマ切断機で型通りに切断しそれらの端部にハゼと言われる加工を施し、板どうしをつなぎ合わせて四角い形状にしていきます。

四角の端部は、先程のアングルフランジか共板フランジに加工します。

ダクトの吊り込み

製作されたダクトは、建物の天井内等に吊り込まれます。

以前の記事で書いたインサート等を使用して、吊りボルトと受けアングルで支持します。

吊り間隔も、各種仕様書で決められていたり、地震のときにゆれて破損しないように固定する方法も定められています。

ダクトあるある

よくスパイ映画なんかで、閉じ込められた部屋から脱出するのに、ダクトを通って別の部屋に出るってシーンありますよね。

部屋の排気口を外してそこからダクトの中に潜り込むってやつ。

あれって設備屋からすると、そんな上手いこといかんやろーって思ってしまうんです。

閉じ込められた部屋が小さい場合、ダクトも小さいはずで人が入っていけるサイズでは無いこともあるし。

それに換気口ってそんなに簡単に外れないし。外れたら危険なんでネジでしっかり固定されてます。最低ドライバーがないと外れません。

あと、ダクトってまっすぐばかりじゃなくて、曲がったりアップダウンもするし。

最悪なのは、途中にダンパーがあったら終わりです。

ダンパーとは、風量調整するためのVDとか、火災の延焼を防ぐためのFDとかですが、要するにダクトの中に羽根があって、それを壊さないと先に進めません。

トム・クルーズもオーマイガー!って叫ぶでしょう。(^^)

みなさんも小さい部屋に閉じ込められたときは、ダクトから脱出するのは諦めましょう。

最後に

いかがでしたか。ちょっと話がそれましたが、ダクトを見る目が変わりましたか?

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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