さあ、今回は空調施工図についてです。
配管図とかダクト図とかの前に、施工図を書く心構えについて書いていきます。
心構えって書くと、重々しいけど、施工図を描く上でどういうことを考えないといけないか、みたいなことです。
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施工図とは

まず、施工図とはなんでしょう。
職人さんが配管やダクトを吊るためにの図面ですよね。
それと同時に、顧客のニーズや設計者の意図を反映させる必要があります。
まず第一に考えるのは顧客のニーズです。
建物はお客さんのものなので、お客さんがこうしてほしいってことは必ずそうしなければいけません。
お金を出してるんですから。
そして、その次が設計者の意図です。
この2つをまとめたのが設計図です。
我々は、設計図から顧客のニーズと設計者の意図を汲み取らないといけません。
それらを汲み取ったあとに、施工者の判断があります。
こうしたほうがお客さんのためになるとか、施工がしやすいとか、手間がかからないとか、安全に施工できるとか。
施工図を描く上で、配管1本、ダクト1本をここに通すと決めるには全て理由が必要です。
この配管を通り芯から900の位置に通すと決めるからには理由が必要です。
800ではなく、1000でもなく、900に通す理由です。
誰が見ても明らかな理由でなくてもいいです。施工者が、こういう理由でここを通すと決めたらそれでいいと思います。
そういう思いをもって施工図を描くことが重要だということです。
施工図とは意思表示
施工図とは意思表示です。
作図者が作業員に、「こうして欲しい!」ってことを伝えるためのものです。
なので、やって欲しいことは全て描かなくてはいけません。
それを描かないから、施工図渡すときに、ここはこうしてほしいとか、ああしてほしいとか、言わないといけないし、あとから言った言わんの問題が発生したりします。自分を守りたがる人はすぐに、「聞いてない!」って言葉を口にします。
施工図に描いておけば、描いてるやん!って言えますからね。
施工図のもう一つの意思表示
施工図の意思表示は、作業員に対してともう一つ、客先あるいは監理者に対する意思表示です。
この施工図は、設計者の意図を反映してますよっていう意思表示ですね。
例えば、天井内のパッケージエアコンや全熱交換機のフィルターが抜けるかどうか。
施工図にフィルター抜き取りスペースを描くことは、作業員にはあまり関係がありません。
あまりと書いたのは、全く関係なくはなく、ここはフィルター抜き取りスペースだから配管やダクトを通してはいけませんよというメッセージにはなりますが、施工図通りに施工すれば、特に気にすることではありません。
監理者に対して、フィルター交換が出来るように施工図描いてますよっていうアピールですね。
あとは、メンテナンススペースもあります。
例えば、吸収式冷温水発生機のコイル抜き取りスペースを確保しているかどうかとか、ファンのモーター交換が出来るスペースがあるかとか、パッケージエアコンのコンプレッサーを交換するスペースがあるかとか。
そういうことを施工図に表現することは、監理者に対するアピールになります。
施工図にはそういう側面もあります。
最後に
今回は施工図を描く上で大切な心構えについて書きました。
Tfas講座というタイトルからはちょっと外れたかもしれませんが、重要なことなのでお伝えしました。
この記事が役に立ったら光栄です。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。