第4回は、「空調配管施工図」です。
冷水、冷温水、冷却水、ドレン管、膨張管、冷媒管といった配管です。
そんな空調配管施工図について書いていきたいと思います。
建築設備CAD、Tfasについてはこちら。
冷水、温水、冷温水配管

エアー抜き
空調配管のメインは、冷水、温水、冷温水です。
2管式の場合は冷温水、4管式の場合は、冷水、温水ですね。
ここでは、冷温水として書いていきます。冷水、温水の違いは保温厚ぐらいなので。
冷温水配管は、熱源機器で作られ、ヘッダーを通して、ポンプで空調機やファンコイルに送られていきます。
冷温水配管に注意することは、アップダウンを極力無くすことです。
よく言われるのは、蒸気配管は出来るだけドレンを抜きやすくすること。冷温水などの水配管は、出来るだけエアーを抜きやすくすることです。
エアーが抜けないと水が循環しにくくなりますから。
そのために出来るだけアップダウンを減らし、エアーを抜きやすくします。
どうしてもアップダウンが必要なら、エアー抜き弁を取らないといけません。そうすると、エアー抜きの先をドレンにつながないといけないとか、面倒くさいことになります。
2管式と4管式
2管式とは、冷水管と温水管を兼用して、冷温水配管として使用します。逆に冷水と温水にそれぞれ専用の配管を使用することを4管式といいます。各配管には「往き」と「還り」があるので2管と4管になります。
2管式は冷水管と温水管を兼用しているので、当然、冷房と暖房を同時に行うことができません。その点、4管式の場合はエリア毎や部屋毎に、冷房と暖房を同時に行うことが可能です。
施工図を描く上では、当然4管式の方が納まりは大変ですが、温水管は冷水管に比べて保温厚が薄いので、その点を考慮することが必要です。
管サイズ
冷温水配管や冷却水配管のサイズ選定は簡単です。
流れる水の量、何l/minかが決まれば、圧力損失を例えば40mmaq/mとすれば、サイズが決まります。
Tfasでは、ダクチュレーターという機能があるので、流量と圧力損失を入れてあげればサイズは決まります。
配管をどこに通すか
配管のルートをどうやって決めるか。
以前の記事で、どこに配管を通すかは全て理由を考えて下さいと書きました。
以前の記事はこちら。
例えば、こんなことは少ないと思いますが、上の階にトイレがあるとすると、その下には排水管や給水管がいっぱい通ってます。
そんな所は他の配管は通しにくいので避けようとか。
あるいは、サーバー室とか、防災センターとか、電気的に重要な機器を置いてある部屋には水配管は通さないとか。
基本的なところですね。
あとは、他の設備に何が通ってるか。電気ラックとか、スプリンクラー配管とか。
配管の高さを考える上での基本は、上から衛生配管・消火配管、次に空調配管、その下にダクト、最後に電気ラックっといった感じでしょうか。
あくまでも基本的にってところですが。
あと、天井伏図も重要になってきます。
ここまで書くと、きりがないので今後の記事で書いていくようにします。
膨張管

最近は密閉式の膨張タンクを使うことが多い印象です。
密閉式なら、熱源機器の近くにおいて、配管をあまり伸ばさなくてすみます。
これが、開放式で熱源が地下にあるようなシステムなら、地下から屋上まで膨張管を伸ばさないといけません。
エアーがかまないように、上り勾配で配管する必要もありますし。
配管内に酸素が入りにくいので、配管の寿命も伸びますし、もし設計図が開放式膨張タンクで描いてあれば、密閉式を提案してもいいのかなと思います。
ドレン配管
空調の排水管です。
エアコンや空調機のドレンとか、水抜きをドレンとして排水します。
昔は雨水に放流してたのが多いと思いますが、最近は雑排水管に流すのが一般的です。
勾配が必要なので、施工図検討の初期段階に納まりの可否を検討する必要があります。
あと、サイズ選定が難しいですね。
なかなか決まったルールが無いのが現実です。
ちゃんと考えると、最も負荷の大きいときのドレン排水量を計算して、衛生の排水管のように選定するのが正しいとは思いますが、ドレン管のサイズ選定でトラブルになった経験は、私個人としてはありません。
エアコンのドレン配管って、天井内の低いところを通すことが多いので、さっき書いた天井伏図が重要になってきます。
私自身も、ドレン管がダウンライトと干渉して、困った経験を何度もしてます。(^^)
天井内の低いところを通さざるを得ないときは、照明の位置を気にしておかないと、あとで困ったことになります。
最後に
今回は、空調配管図について書いてきました。
衛生配管に比べて、種類が少ないのでその点は描きやすいでしょう。
うまく施工が進むかどうかは施工図の良し悪しが重要です。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。

