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Tfas空調施工図講座、第5回「ダクト施工図の描き方」

第5回は、ダクト施工図です。

空調では、ほぼ必ず登場するダクトです。

ものが大きいので納まりが大変ですが、自由度も効きます。

そんなダクト施工図について書いていきます。

施工図描く心構えについては、過去の記事を参考にして下さい。

ダクトサイズの選定

ダクトサイズの選定には、ダクチュレーターを使用します。

Tfasには、ダクチュレーターが装備されているので、風量と単位摩擦損失を入力すれば簡単に選定することができます。

標準的には、1Pa/m、旧単位では、0.1mmAq/m、ポツイチって言ったりします。

ダクトサイズを小さくするために、1.5Pa/mで選定することもありますが、ファンの静圧が必要なので注意が必要です。

サイズが決まれば、あとはTfasのルーティングで簡単にダクトを描くことが出来ます。

サイズを決める上でアスペクト比も重要です。

アスペクト比とは、ダクトの縦横比のことで、一般的には4:1以下にしないといけません。

ダクトの種類

ダクトはその用途によって、ダクトの仕様や、保温の有無が決まります。

SA(給気)OA(外気)RA(還気)EA(排気)SE(排煙)等です。

保温が必要なダクトは、保温施工をするために周囲にある程度の間隔が必要になることがあります。

例えば、梁下いっぱいにダクトを通さなくてはいけないとき。鉄骨梁の場合、耐火被覆をすることが多いので、梁下+耐火被覆厚み+ダクト保温厚+ダクト高さが、ダクト下端から梁下までの最低距離になります。

これは、ピチピチの場合で、施工するとき、ダクトを吊る前に天端に保温材を挟んでおく必要があります。ダクト屋さんと保温屋さんの共同作業ですね。

ダクトどこに通す?

ダクトは基本的に大きいので、どこでも通せるって訳ではありません。

出来るだけ交差しないように考えるのが重要です。

シャフトから出てくる大きなダクトがいきなり交差しないといけないようでは納めるのに苦労します。

なので、そういうところで交差しないように、縦ダクトの配置を決めます。

あと、シャッターが付くところも要注意です。

建築図を見て最初に注意するところの一つにシャッターがあります。

大概、シャッターは梁下に付くので、細い配管はまだしもダクトを通すのは厳しいです。

そういう所は迂回しないといけないので、そこを考慮してダクトルートを考える必要があります。

他にも、上階に便所があるところとか、厨房があるところとか。

上階に便所があると、必ず排水管が通るので、自然と納まりが厳しくなります。

設備で一番強いのは排水です。勾配を取ることが必須なので、他の配管やダクトは排水管にルートを譲らなくてはなりません。

それと、厨房。厨房があると、そもそもスラブが下がっていることが多いので、ここにダクトを通すのもやめたほうがいいです。

配管やダクトは天井裏を通すので、上の階になにがあるか、どんな部屋があるかは最初に押さえておくことが必要です。

Tfasでは、たくさんのシートを作ることが出来るので、必ず上階の平面図を別シートで重ねておくのが基本です。

最後に

ダクトは風が出ないと意味がありません。

施工する段階になって、納まらないからダクトをいじめて、薄っぺらいダクトを作って、最終試運転のときに風が出ないとか排煙が吸わないなんてことになると、もっと苦労することになります。

取り合いをきっちりして、やりかえのないダクト図を作成しましょう。

それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。

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