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設備屋の仕事「スリーブ・インサートとは」

設備屋の仕事、「スリーブ・インサート」です。私も会社に入った頃は何のこっちゃわかりませんでしたが、新人がまず覚えることといった感じです。

スリーブとは?

スリーブとはなんでしょう。「そで」ですよね。ノースリーブって言いますから。

建築設備で言うスリーブとは。

建築設備で使う配管やダクトは天井内やシャフトを通りますが、コンクリートの壁や床、梁等を通すときに穴を開けないといけません。コンクリートを打設するときにその穴を作るのがスリーブです。配管やダクトが通る、「そで」のようなものでスリーブといいます。

コンクリートを打つ前に、そこに配管やダクトを通したいとき、コンクリートに穴を開けるために設置するのがスリーブです。鉄製やボイドと言われる紙製の筒なんかを使います。

スリーブの重要性

近年、スリーブの重要性が高まっています。スリーブを入れ忘れると、後でコンクリートに穴を開けなければいけません。そうすると多くの場合、鉄筋を切ってしまいます。これは構造的に非常に問題があります。建物を支える構造体の一部である鉄筋を切ってしまうのですから。

そうはいえ、昔はスリーブ入れ忘れたところをバンバン穴開けてたわけです。コア抜きってやつで、ダイヤモンドカッターで穴を開けるわけです。もちろん鉄筋も一緒に切っていきます。それで、建物が崩れ落ちるってわけではないですが、阪神淡路大震災をはじめとする大型地震で建物が崩壊したときに、このコア抜きで鉄筋切ったからやーってことになると、建築業者は言い訳できません。正しい施工ではないからね。

ということで、近年コア抜きをすることが非常に難しくなり、スリーブが重要になっています。

だからといって、建築屋さんが協力的になってくれるわけでもなく、施工図もちゃんと出来てない中、躯体優先の現場で正しくスリーブを入れるのは結構難しいです。これ現実です。

なので、設備屋がスリーブの重要の重要性を主張しなくてはいけません。つらいね〜。

インサートとは?

建築設備で言うインサートとは。

天井内を通る配管やダクトは、スラブ(上階の床コンクリート)から吊らなくてはいけません。配管やダクトを吊るのは全ねじボルトというのを使用するのですが、これをコンクリートにねじ込むために予め入れておくものがインサートになります。

インサートを入れ忘れても、後打ちアンカーというものがあって、それを使用すれば全ねじボルトを取り付けることができます。後打ちアンカーはダメな施工ではないので、インサートを入れ忘れても大きな問題にはなりませんが、後打ちアンカーばかり使用していると、配管やダクトの吊り込み作業が大変になります。出来ればちゃんと入れておきたいところです。

インサートの種類

インサートの種類にはどんなものがあるのでしょう。

インサートの種類を決めるのは、型枠の種類、許容荷重、ぐらいでしょうか。

型枠が在来工法(ベニヤで型枠を作る)かデッキプレートを使うか、また断熱があるかないか。断熱は木毛セメント版とかスタイロフォームとか。許容荷重でいうと、軽量か重量用か。それだけって?って感じですが、軽い冷媒管を吊るか、重い冷温水配管を吊るかってことです。埋め込み深さが違います。

あとは、電気めっき製かステンレス製かとか、色は何色を使うかとか。色分けは設備の種類によって現場で取り決めをします。空調は緑、衛生は青、電気は赤とか・・・。

インサートは難しい

とはいえ、インサートは難しいです。

躯体工事のときに配管図やダクト図が出来てないといけないし、変更があると使えなくなります。天カセとか天井伏図が無いと位置を決めれないし。変更の多い商業施設や、病院なんかは使えないことのほうが多いでしょう。

無駄ですよね〜。

これが、建築現場の実態です。

変更、変更で。躯体が終わってからの変更は、アンカー代の追加をもらいたいぐらいです。

最後に

というわけで、スリーブ・インサートについて書いてみました。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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