「施工管理の工程管理って何をする仕事?」 「工程表はどうやって作る?」 「工程管理は施工管理の中でも重要なの?」
施工管理を目指している人なら、「工程管理」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。
工程管理とは、工事を決められた工期までに完成させるため、工事全体のスケジュールや進捗を管理する業務です。
ただ予定表を作るだけではなく、職人や協力会社の手配、他工種との調整、資材の納入確認、天候やトラブルによる工程変更など、さまざまな業務があります。
この記事では、施工管理における工程管理の仕事内容を初心者にも分かりやすく解説します。
さらに、工程表の種類、具体的な進め方、1日の仕事、工程管理がきつい理由、必要なスキル、未経験から施工管理になる方法まで紹介します。
施工管理の工程管理とは?
工程管理は工事を工期内に完成させる仕事
工程管理とは、工事の開始から完成まで、決められた工期内にスケジュール通り進めるための管理業務です。
工程管理では何を管理する?
工程管理では、以下のようなさまざまな要素を管理します。
- 工事のスケジュール
- 作業員
- 協力会社
- 資材の搬入
- 重機・設備
- 他工種との作業順序
- 工事の進捗
工程管理はなぜ重要?
工程管理が適切に行われないと、工期の遅延によって発注者との信頼関係に影響が出たり、追加コストが発生したりする可能性があります。工事全体を成功させるための土台となる業務です。
工程管理と品質管理・安全管理の違い
工程管理は「いつ、何を、どの順番で行うか」を管理するのに対し、品質管理は「施工の質」を、安全管理は「事故防止」を管理するという違いがあります。これらは互いに関連し合いながら、工事全体を支えています。
👉 内部リンク:「施工管理とは?仕事内容・年収・資格を徹底解説」
施工管理の工程管理で具体的に何をする?
①工事全体のスケジュールを作成する
着工から竣工までの全体的なスケジュールを立案します。
②工程表を作成する
作成したスケジュールを、関係者が理解しやすい工程表という形に落とし込みます。
③作業員・協力会社を手配する
必要なタイミングで、必要な人員や協力会社を手配します。
④資材の搬入時期を調整する
工事の進行に合わせて、資材が適切なタイミングで現場に搬入されるよう調整します。
⑤工事の進捗状況を確認する
計画通りに工事が進んでいるかを、定期的に確認します。
⑥他工種と作業日程を調整する
建築・電気・設備など、複数の工種の作業が重ならないよう調整します。
⑦遅れが出た場合に工程を修正する
天候やトラブルによって遅れが生じた場合、工程表を見直しながら挽回策を検討します。
⑧発注者・設計者と工程を調整する
進捗状況を発注者や設計者に報告し、必要に応じて工程についての調整を行います。
⑨工期に間に合うよう全体を管理する
これらすべての業務を通じて、最終的に工期内に工事を完成させることが工程管理の目的です。
施工管理で使われる工程表の種類
バーチャート工程表
作業ごとに横棒(バー)で期間を示す、視覚的に分かりやすい工程表です。
ガントチャート
バーチャートと似た形式で、作業の開始・終了時期を棒グラフで示す工程表です。
ネットワーク工程表
作業同士の前後関係を矢印でつなぎ、工事全体の流れを可視化する工程表です。
出来高工程表
工事の進捗度合い(出来高)を数値やグラフで示す工程表です。
曲線式工程表
工事の進捗を曲線で表現し、予定と実績を比較しやすくした工程表です。
工程表は工事の規模や目的によって使い分ける
それぞれの工程表には特徴があり、工事の規模や、誰に何を伝えたいかという目的に応じて使い分けられます。
工程表はどうやって作る?
STEP①工事内容を洗い出す
まず、工事に必要な作業内容をすべて洗い出します。
STEP②作業の順番を整理する
洗い出した作業を、実施すべき順番に整理します。
STEP③必要な日数を設定する
それぞれの作業にかかる日数を見積もります。
STEP④人員・資材を確認する
各作業に必要な人員や資材が確保できるかを確認します。
STEP⑤他工種との関係を確認する
他の工種の作業との前後関係や、重複がないかを確認します。
STEP⑥全体の工期を調整する
すべての作業を組み合わせ、全体の工期に収まるよう調整します。
STEP⑦実際の進捗に合わせて修正する
工事が始まった後も、実際の進捗に応じて工程表を随時修正していきます。
工程管理の1日の仕事内容
朝|当日の作業予定を確認
出勤後、その日に予定されている作業内容を確認します。
午前|現場を巡回して進捗を確認
現場を巡回し、工程表通りに作業が進んでいるかを確認します。
昼|作業の進み具合を確認
午前中の作業の進捗を踏まえ、午後の予定を調整します。
午後|協力会社・他工種と打ち合わせ
作業の進め方や、他工種との調整について打ち合わせを行います。
夕方|工程表と実績を確認
その日の実績を工程表と照らし合わせて確認します。
退勤前|翌日の作業を調整
翌日の作業内容を確認し、必要に応じて調整を行います。
工程管理は現場と事務作業の両方がある
現場での進捗確認と、工程表の作成・更新といったデスクワークの両方をバランスよく行う点が特徴です。
👉 内部リンク:「施工管理の1日の仕事内容とスケジュール」
工程管理が難しい・きついと言われる理由
予定通りに工事が進まない
さまざまな要因によって、計画通りに工事が進まないことがあります。
天候によって工程が変わる
屋外工事は天候の影響を受けやすく、悪天候によって工程が遅れることがあります。
職人・協力会社の調整が大変
複数の職種・業者の予定を調整する必要があり、負担が大きくなることがあります。
資材の納期が遅れることがある
資材の納品が遅れると、それに応じて工程全体を見直す必要が出てきます。
他工種との調整が難しい
複数の工種が同時に進行する現場では、調整の難易度が上がります。
設計変更への対応が必要
工事の途中で設計変更が発生した場合、工程表の見直しが必要になります。
トラブルが発生すると工程を組み直す必要がある
予定外のトラブルが発生した場合、その都度工程の調整が求められます。
竣工前は特に忙しくなりやすい
竣工間際は、複数の作業が同時に集中しやすく、工程管理の負担が大きくなる傾向があります。
👉 内部リンク:「施工管理はきつい?仕事内容と大変な理由を解説」
工程が遅れたとき施工管理はどう対応する?
まず遅延の原因を確認する
なぜ遅れが生じたのか、原因を正確に把握することが第一歩です。
優先順位を決める
遅れを取り戻すために、どの作業を優先すべきかを判断します。
人員を増やす
必要に応じて、作業員や協力会社の人員を増やして対応することもあります。
作業順序を変更する
作業の順番を入れ替えることで、全体の遅れを最小限に抑えられる場合があります。
他工種と工程を再調整する
自分の工程だけでなく、関連する他工種との調整も必要になります。
資材・業者の手配を見直す
遅れに対応するため、資材の調達や業者の手配を見直すこともあります。
発注者・元請会社へ報告する
工程の遅れは、速やかに発注者や元請会社に報告し、共有することが重要です。
無理な工程変更をしないことも重要
遅れを取り戻そうとするあまり、安全や品質を犠牲にするような無理な工程変更は避けるべきです。
工程管理で重要な4つのポイント
①余裕を持った工程を組む
予期せぬトラブルにも対応できるよう、ある程度の余裕を持った工程を組むことが大切です。
②作業の前後関係を把握する
どの作業がどの作業に影響するのかを正確に把握しておくことで、遅延の影響を最小限に抑えられます。
③早めに遅延を発見する
遅延の兆候をできるだけ早く発見することで、対応の選択肢が広がります。
④関係者との情報共有を徹底する
工程の変更や進捗状況を、関係者全員に正確に共有することが重要です。
工程管理は「先読み」が重要
目の前の作業だけでなく、その先の工程を見据えて行動することが、工程管理を上手に行うための重要なポイントです。
工程管理に必要なスキル
スケジュール管理能力
複数の作業を同時並行で管理するための、基本的なスケジュール管理能力が求められます。
コミュニケーション能力
多くの関係者と円滑にやり取りするためのコミュニケーション能力が欠かせません。
調整力
異なる立場の関係者の意見を調整し、まとめる力が求められます。
問題解決能力
トラブルが発生した際に、適切な解決策を導き出す力が必要です。
判断力
限られた時間の中で、適切な判断を下す力が求められます。
建設・設備に関する知識
工事内容を理解するための、建設や設備に関する基礎知識も必要です。
パソコン・工程管理ソフトの操作スキル
工程表の作成には、パソコンや専用ソフトの操作スキルも役立ちます。
経験を積むことで工程管理能力は身につく
これらのスキルは、最初から完璧に備えている必要はなく、経験を積む中で徐々に身につけていくものです。
工程管理に向いている人
計画を立てるのが好きな人
スケジュールを組み立てることに興味を持てる人に向いています。
段取りを考えるのが得意な人
多くの作業を効率よく進めるための段取り力がある人に向いています。
人と調整するのが苦にならない人
複数の関係者と調整するため、コミュニケーションが苦にならない人に向いています。
先回りして考えられる人
先々の工程を見据えて行動できる人に向いています。
トラブルに冷静に対応できる人
予定外の事態にも落ち着いて対応できる人に向いています。
責任感が強い人
工期を守るという責任を持って業務に取り組める人に向いています。
👉 内部リンク:「施工管理に向いている人・向いていない人」
工程管理ができる施工管理になるには?
まず現場の基本を覚える
現場での基本的な業務の流れを理解することが第一歩です。
工事の流れを理解する
着工から竣工までの、工事全体の流れを把握しましょう。
職人・協力会社との関係を築く
日々のコミュニケーションを通じて、職人や協力会社との信頼関係を築いていきましょう。
工程表を自分で作ってみる
実際に工程表の作成に携わることで、実践的なスキルが身についていきます。
遅延原因と対策を経験から学ぶ
実際に工程が遅れた経験を振り返り、その原因と対策を学んでいくことが重要です。
資格取得で専門知識を身につける
施工管理技士などの資格取得を通じて、体系的な知識を身につけることも有効です。
工程管理に資格は必要?
資格がなくても工程管理はできる
資格がなくても工程管理の業務に携わることは可能です。多くの場合、実務経験を積みながら知識を深めていきます。
2級施工管理技士
中小規模の工事で専任技術者として配置できるようになる資格です。
1級施工管理技士
大規模工事の監理技術者として配置できるようになる資格です。
建築施工管理技士
建築工事全般を対象とする資格区分です。
土木施工管理技士
道路・橋・トンネルなど、土木工事を対象とする資格区分です。
電気工事施工管理技士
電気設備工事を対象とする資格区分です。
管工事施工管理技士
空調・給排水などの配管設備工事を対象とする資格区分です。
資格取得がキャリアアップにつながる理由
資格を取得することで、工程管理を含む施工管理全般の専門性を客観的に証明でき、キャリアアップや年収アップにつながりやすくなります。
👉 内部リンク:「一級施工管理技士とは?資格の種類と取得メリット」
未経験から工程管理の仕事に就ける?
未経験から施工管理になることは可能
建設業界は人手不足が続いており、未経験者を採用し育成する会社が多く存在します。
最初は先輩施工管理のサポートから始める
未経験のうちは、先輩社員のサポートを受けながら、工程管理の基本を学んでいきます。
未経験者が担当することの多い業務
写真撮影や書類作成の補助など、工程管理の周辺業務から少しずつ経験を積んでいくのが一般的です。
建設業界未経験でも転職できる?
コミュニケーション力やスケジュール管理の考え方が評価され、未経験からの転職も十分に可能です。
設備管理・電気工事などの経験は活かせる?
関連分野での実務経験は、工程管理の理解をスムーズにする助けになります。
20代・30代なら未経験転職を狙いやすい
ポテンシャルや前職での社会人経験を評価されやすく、未経験からのキャリアチェンジがしやすい年代です。
40代以降の転職で注意したいポイント
難易度は上がるものの、マネジメント経験などをアピールすることで採用されるケースもあります。
👉 内部リンク:「未経験から施工管理へ転職する方法」
工程管理の経験を活かしたキャリアアップ
2級施工管理技士を取得する
未経験からのキャリアの土台として、まずは2級施工管理技士の取得を目指しましょう。
1級施工管理技士を取得する
大規模工事の監理技術者として配置できる1級資格の取得は、キャリアアップの大きな転機となります。
現場代理人を目指す
現場全体を統括する立場を目指し、責任とともに年収アップを図りましょう。
所長・管理職を目指す
複数現場を統括する管理職として、会社全体のマネジメントに関わる道もあります。
大手企業へ転職する
より規模の大きい会社へ転職し、大規模プロジェクトへの関与や待遇改善を目指す道です。
発注者側へ転職する
現場管理から一歩離れ、発注者側として、異なる視点で建設に関わる道もあります。
工程管理の経験を活かして年収アップする
工程管理の経験を的確にアピールすることで、転職による年収アップにもつなげられます。
👉 内部リンク:「施工管理のキャリアプラン完全ガイド」
工程管理の経験者が転職するときの求人選び
担当する工事の種類を確認する
どのような工事を担当することになるのか、具体的に確認しましょう。
現場の規模を確認する
工事の規模によって、業務量や責任の重さが変わってくることがあります。
年間休日を確認する
年間休日数は、働きやすさを判断する重要な指標です。
残業時間を確認する
求人票に記載された残業時間の目安と、実態の乖離がないかを確認しましょう。
工期や担当現場数を確認する
一つの現場を担当するのか、複数の現場を掛け持つのかによって、業務負担が変わります。
転勤・出張の有無を確認する
転勤や出張の頻度についても事前に確認しておきましょう。
資格手当・資格取得支援を確認する
保有資格に応じた手当や、資格取得の支援制度があるかどうかも確認しておきましょう。
年収だけでなく働き方も確認する
年収の高さだけでなく、休日・残業といった働き方も含めて総合的に判断することが大切です。
👉 内部リンク:「施工管理の転職で失敗しない求人の選び方」
工程管理の仕事を探すなら転職エージェントを活用しよう
施工管理求人を効率的に比較できる
専門知識を持つ担当者から、自分に合った求人紹介やサポートを受けられます。
経験や資格に合った求人を探せる
これまでの経験や保有資格をもとに、条件に合った求人を紹介してもらえます。
年収・勤務地などの条件を相談できる
自分の希望条件をもとに、担当者に相談しながら求人を探すことができます。
残業や休日など求人票だけでは分からない情報を確認できる場合がある
担当者を通じて、残業の実態や職場の雰囲気といった情報を確認できる場合があります。
面接対策や書類作成をサポートしてもらえる
工程管理としての経験を効果的にアピールする書類作成や面接対策のサポートを受けられます。
複数の転職エージェントを比較する
複数登録して比較することで、より良い条件の求人と出会いやすくなります。
👉 内部リンク:「施工管理におすすめの転職エージェント」 👉 内部リンク:「施工管理におすすめの転職サイト」
施工管理の工程管理に関するよくある質問
Q. 施工管理の工程管理とは何をする? A. 工事を決められた工期内に完成させるため、スケジュールの作成や進捗管理、関係者との調整を行う業務です。
Q. 工程管理と施工管理の違いは? A. 施工管理は工程・品質・安全・原価管理を含む業務全体を指し、工程管理はその中の一部(スケジュール管理)を指します。
Q. 工程表は誰が作る? A. 主に施工管理担当者が、工事内容や関係者の状況を踏まえて作成します。
Q. 工程管理は難しい? A. 天候やトラブルによる変動要因が多いため、一定の経験と調整力が求められる業務です。
Q. 工程管理はきつい? A. 竣工前など繁忙期には負担が大きくなることがありますが、会社や現場によって差があります。
Q. 未経験でも工程管理ができる? A. 最初は先輩社員のサポートを受けながら、少しずつ経験を積んでいくのが一般的です。
Q. 工程管理に資格は必要? A. 資格がなくても携わることは可能ですが、施工管理技士の資格があると専門性を証明しやすくなります。
Q. 工程管理で使うソフトは? A. バーチャート工程表やガントチャートを作成できる専用ソフト、表計算ソフトなどが活用されています。
Q. 工程管理が上手い人の特徴は? A. 先を見据えた行動ができ、関係者との情報共有を徹底できる人が、工程管理を上手に行う傾向があります。
Q. 工程管理の経験は転職で評価される? A. スケジュール管理能力や調整力は、施工管理としての実務経験の中でも特に評価されやすい要素です。
施工管理の工程管理とは?まとめ
工程管理とは、工事を決められた工期までに完成させるため、工事全体のスケジュールや進捗を管理する仕事です。
工程表を作るだけではなく、職人や協力会社の手配、資材の納入、他工種との調整、遅延への対応など、多くの業務を行います。
工程管理の経験を積むことで施工管理としての市場価値を高められ、資格取得や転職によってさらにキャリアアップ・年収アップを目指せます。
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